エアコンにまつわる事を実験・実証をして記事にする新たな試みを始めます。 ※写真はふざけていますが実験の内容はいたって真面目な内容です。
私はエアコンについての今までの『常識』が嫌いです。と言うより、常識とされてきたことを何も疑いもせずに『常識』と言っている古臭い業者、その古臭い業者の言うことを鵜呑みにして自分の知識の如く言う業者が嫌いです。
当ブログやホームページの随所で書いていますが、昨今のエアコン工事業界(主にルームエアコン)は「エアコンの機械としての性能が飛躍的に発達してきているのに、それを工事する人間(職人)の知識・技術は全く進化していない」と思っています。「温故知新」という言葉があるように、古きを訪ねて新しきを知る事は人間にとってとても大切なことだと思います。私達職人は特にその必要があり、日々上(新しき)を目指す事が使命のひとつだと思っています。
検索で『エアコン工事』『エアコン取り付け』等を入力すると、エアコン工事の業者さんのホームページやブログが山ほどあります。ですがその内容をよく読んでみると、業者さんによって言っている事・やっている事が正反対な事が多々あり、お客様にしてみたら何を信じればいいの?ってなりませんか?
加えて某掲示板や某質問箱などでもエアコンに関しての質問があった場合、職人なのか素人なのか分かりませんが出鱈目な回答があったりもします。
更に某動画サイトを観ても素人に毛が生えたような自称エアコン工事のプロ等が根拠のない持論を展開しお客様に間違った知識を植え付けています。
インターネットが普及し情報の信憑性が問われる現代、根拠のない情報は巡り巡って最終的にお客様にとって不利益な情報となります。
正直な所、私達クアトロテクノサービスがホームページや当ブログ等で発信している情報は、私達がエアコン工事の職人として生きてきて自らが見て触って学んだ経験則に基づく情報が多いです。上記の通り、私は『常識』が嫌いなので駆け出しの頃から常識を疑いながらエアコン工事に触れてきました、疑問に思ったことは答えが出るまで実験や検証を繰り返し納得できる答えが出るまで繰り返してきて今があります。
日々疑問は生まれるのでゴール地点はありませんがお客様にとって有益になりそうな情報は当ブログやホームページや動画チャンネルを通してどんどん発信していこうと思います。
そんな思いでブログ内に『クアトテクノサービス秘密の実験室』というコンテンツを作りました。不定期になるとは思いますがお客様はもちろんのこと、同業者の皆さんにも有益になりそうな実験を行います。読者の皆さんから頂戴した疑問を検証したり、同業者の方から質問があった技術的な相談なども紹介できればと思っています。疑問などありましたらご連絡お待ちしてます。ブログ下部のコメント欄に入力していただいても結構です。
ということで、今回はこんな実験をしてみました。
配管が長くなるとエアコンが効かなくなる!?ホントorウソ
Google等の検索で『エアコンの配管の長さ』や『エアコン取り付け 配管 長い』や『エアコン パイプ 延長』と調べていくつかのサイトを読んでもらうと分かると思いますが、多くの業者がエアコンの配管の長さに関してこう書いてあると思います。
- エアコンは配管が長くなるにつれて能力(効率)が落ちる
- エアコン取り付けで一番気をつけなければならないのは配管の長さ
- エアコンの室内機と室外機は近い場所が一番いい
- 室内機3階で室外機は地面に設置するような配管の延長が必要な設置はエアコンが効かなくなる
- エアコンは配管が長くなると室外機に負担がかかって故障する
- エアコンの配管は人間で言うと血管だから長くなればなるほどリスクが高い
- 配管が長くなると室外機で冷やされた空気が室内機に到達するまでに暖められてしまい効率が落ちる
まだまだあると思いますがきりがないのでこの程度にしておきます。
誤解を招いてしまいそうなので先に結論を書きますが、エアコンは配管が長くなっても能力に影響はありません!!
ざっと挙げた内容ですが果たして本当なのでしょうか?という疑問に応えるべく実験をしてみました。
実験内容をざっくり説明
場所:クアトロテクノサービス実験施設(弊社拠点の一角ですが・・・)
使用機種:ダイキンエアコン F22STCXS-W 2015年製
比較方法:室外機と室内機をそれぞれ4mと16mの配管で接続し10分間稼働させ、吐出温度とその時の1日換算の電気代を比較。
今回の実験の為にこんな素敵なアイテムを用意しました。
※サンワサプライ製の『ワットモニター』という機械です。コンセントに差すと積算料金・消費電力・積算電力量などが確認できるという代物です。説明書には『エアコン等の専用回線が必要な機器には使用しないでください』とありますが電気工事士立ち会いの下、自己責任で行いました。良い子の皆さんは絶対に真似しないようにお願いします。
簡易的に室内機をセットし、ワットモニターをコンセントに噛まして接続。
設定温度は27度
まずは配管4mで10分間暖房運転
次に配管を16mに交換し、暖房10分運転
※単純に配管長がエアコンの効きに影響があるのか否かの実験なので16mがロール状のままなのはご愛嬌。
一般的な考え方だと配管の長さが『4m』と『16m』なので単純に4倍の差が出るはずです。(多分)
果たして結果は??
それぞれの10分間運転後の温度と「ワットメーター」の数値を見てください、驚きの実験結果です!!
まずは4m配管の吐出温度とワットメーターの数値
4m配管 設定温度27度
吐出温度 34.4度
1日換算 222円
続いて16m配管の結果の数値を・・・
12m配管 設定温度27度
吐出温度 34.7度
1日換算 232円
という結果になりました!!
2回目になりますが、実験の趣旨は同じ空間で配管の長さだけを変えて10分間稼働させた数値を比較するという実験です。
つまり、配管の長さがエアコンの効きに影響することはない。という事がまず分かりました。
そして電気料金は1日あたり10円前後の差が出る。ということが分かりましたね。
非常に雑なやり方の実験ではありますが、配管の長さがエアコンの効きに影響することはない、ということがお分かりいただけたのではないでしょうか?
先程ご紹介した都市伝説『エアコンは配管が長くなるにつれて能力が落ちる』という説の信憑性が薄くなりましたね。
まぁ、私は実験する前から結果は大体分かっていましたがこの長年に渡り流布されている誤った都市伝説をどうにかして変えたくて実験したまでです。誤った情報で不利益を被るのはエアコンを使用するお客様なのですからプロはプロらしく、リアルな(生きた)情報を発信する必要がありますね。ホント、古い常識なんて10年も経てば昔の常識です。
そんな実験意味ねぇよ!!って思う方(業者の方)もいると思うのでもうひとつ実験してみました
上の実験結果を見て「配管が長くなるとそれだけ太陽の影響を受けることになり、室外機で冷やされた冷媒ガスが室内機に到達するまでに温かくなってしまうことで効率が落ちる、エアコンが効かなくなる、室外機の負担になり故障する」という意見が出てきそうです。多分いる、というか絶対いる。
ということで、もうひとつ実験を行ってみました。
が、とりあえずここまででお腹いっぱいの方もいるかと思いますので一旦まとめに入ります。
ココに注意
配管の長さがエアコンの効きに影響することはありません!
※メーカー公表の『有効配管長』と『有効高低差』の範囲内に於いて