秘密の実験室シリーズ

続:『実験してみました』配管が長くなるとエアコンが効かなくなる!?ホントorウソ

前回の実験の延長です。前回の実験は以下の内容です。

『実験してみました』配管が長くなるとエアコンが効かなくなる!?ホントorウソ

エアコンにまつわる事を実験・実証をして記事にする新たな試みを始めます。       ※写真はふざけていますが実験の内容はいたって真面目な内容です。 私はエアコンについての今までの『常識』が嫌いです。と ...

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まだお読みでない方はぜひ↑のその1をお読みくださいませ。

というわけで、前回の実験結果を見て「配管が長くなるとそれだけ太陽の影響を受けることになり、室外機で冷やされた冷媒ガスが室内機に到達するまでに温かくなってしまうことで効率が落ちる、エアコンが効かなくなる、室外機の負担になり故障する」という意見も出てきそうなのでそれについて実験してみました。

エアコンの配管が外部(太陽)から受ける影響について

まず最初にエアコンの配管って何なの?ってなると思うのでざっくり説明します。今更遅い

20mの配管です

ざっくり書くとエアコンの室内機と室外機を繋いでいる銅製の管です。管の中は冷媒ガスという言わば『ひんやりの素』と『ぬくもりの素』が冷房時・暖房時にそれぞれ室内機と室外機を行き来しています。
上の写真はロール状に巻かれた20mの配管ですが、中身は銅の管が2重の断熱材に覆われた構造となっております。詳しく写真で見ていきましょう。

白い部分が断熱材になっています

銅管の周りに2重構造の断熱材が確認できます

高密度の断熱材であることが確認できますね

これだけ分厚い断熱材に守られているということは配管の周りには幾重にも重なった空気の層があるということになります。『断熱』の基本は『空気の層』+『空気の層』なので銅の管は外部からの影響を受けにくい、と私は思っています。

具体的にどんな実験を行ったかというと・・・

銅管と断熱材の間に温度計を仕込み、冷房でエアコンを稼働させ配管をヒートガンで熱する(炙る)。という内容です。配管内部の温度が上昇すれば配管は外部からの熱の影響を受けている、ということになります。逆に温度に変化がなければ外部からの影響は受けていない、ということになりますよね?非常に雑な考え方ですがシンプルに考えるとそういう事です。

それでは実験開始です!

まず、室内機と室外機を繋いだ状態の配管の断熱材を適当な所でカッターで割きました。内部に銅管が確認できますね。

この銅管に温度計を密着させるようにして仕込み、割いた箇所を丁寧にビニールテープで閉じて密閉します。

この時の配管の温度は15.1度です

ちなみに、今回使用した温度計はイチネンTASCO TA408GA ソーラー温度計です。前回も使いましたね。蛇足ですが太陽光じゃなくLEDを光源にしても充電できます。

そしてエアコンを冷房運転状態にします。※気温が低くリモコンでは冷房運転にならなかったので強制冷房というやり方で冷房サイクルで運転させました。

いざ!!

さぁ、はじめよう

配管内部に冷えた冷媒ガスが通ることで配管(銅管)の温度がぐんぐん下がっていきます。

10.4度

 

さらに数十秒で7.7度まで下がりました。※温度計を持っているのが疲れたので室外機の上に置いています。

強制冷房で運転しているのであまり長時間運転していると自動的に止まってしまうのでここで配管を【アストロプロダクツ】AP ヒートガンで熱して(炙って)みます。

ヒートガンとは簡単に言うと強力なドライヤーです。この【アストロプロダクツ】AP ヒートガンはカタログによると 『吐出温度:Low/300℃、High/500℃』 という熱~い熱風が出ます。とりあえずLOWで熱してみました。

熱した結果・・・

!!!!!!!????

 

 

あれっ??

 

ごめんなさい、くっそブレてます・・・。

ヒートガンの熱風が熱すぎてブレてしまいました・・・m(_ _)m

ブレブレのせいでよく見えませんが、温度は6.4度と表示されています。熱する(炙る)前よりも低くなっています。

つまり外部からの影響は受けていない、ということになります。あるいは影響は受けているかもしれないけど冷えた冷媒ガスの方が勝っている。ということになりますね。

本当に影響受けないのかな?と私自身疑問に思ったのでヒートガンのパワーをHighの500℃にしてみました。

結果

流石に温度が上がり始めましたが・・・

配管に巻いたテープが溶け始め・・・

内部まで溶け始めてしまいました、なのでここで実験は終了としました。太陽光で溶けるなんてことはあり得ないので・・・。

つまり、かなりの光熱を外部から浴びせない限りは影響は限りなく少ない。ということが分かりました。

どうでしょうか?冒頭の『配管が長くなるとそれだけ太陽の影響を受けることになり、室外機で冷やされた冷媒ガスが室内機に到達するまでに温かくなってしまうことで効率が落ちる、エアコンが効かなくなる、室外機の負担になり故障する』という説の信憑性が薄くなりました。

実験のまとめ

思いつきで突発的に始めた2つの実験は荒削り且つ限定的な内容ですが、少なくとも『エアコンにまつわる2つの常識とされてきた何か』 が 『古臭くて胡散臭い何か』だったということがある程度証明されたのではないでしょうか?

分かったこと

配管の長さがエアコンの効きに影響することはない

配管は外部からの影響は受けにくい

これからエアコンの取付を考えている方の、エアコンの取り付け位置選定のお役に立てればいいなと思いながら今回の実験を行いました。長くなるので詳しくは書きませんがブログを通して何度も書いているように、室外機の設置場所は1階地面が最適です。室外機の騒音や振動を原因としたストレスが生じてしまうためです。

室内機が3階で室外機を1階地面に設置する場合、取付工事は大変になります。高所での作業になるので危険も伴います。なので多くの業者さんは古臭い常識を盾に工事が簡単な3階のベランダへの設置を勧めたり最悪設置自体を諦めさせる悪徳業者もいるようです。

年々厳しくなるエアコン工事業者の労働環境の悪さも手伝い、自分が一番楽に工事できる設置プランを勧める業者が本当に多くなりました。その気持は分からなくもないですが私達職人はお客様にとって最善のプランを提案し、最高の作品(仕上がり)を提供する義務があると思います。その道のプロなのですから。

お時間ありましたら以下の2つの記事も合わせてお読みいただけると幸いです。

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「クアトロテクノサービス謎の実験室」では弊社職人全員が変装して登場しています。しかもとても怖いし気持ち悪いですよね?ゴメンナサイ

ふざけているように見えますが、本人たちは至って真面目にやっています。変装はふざけていますが・・・。

それでも変装は意味があってやっています。怖くて気持ち悪い変装をすることで一人でも多くの方に注目してもらいたいのです。知ってもらいたい事が沢山あるのです。エアコンに携わる人間として、エアコンの事でお客様に嫌な思いをしてもらいたくない、不利益なことがあってはならない、そう思っています。

一応断っておきますが、変装はそれぞれ「アノニマス風」「ガスマスク」「ペスト医師風」ですが、実験内容とは全く関係がありません。

アノニマスはハッカー集団の象徴なのでエアコン工事とは全く関係ありません。

ガスマスクはあくまで「実験」を彷彿させるイメージです。

ペスト医師はペストのお医者さんなので当然エアコンとは関係がありません。

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  • この記事を書いた人

yu-ki

当ブログの管理人の清 祐樹(せい ゆうき)です。 エアコン工事・ロープ高所作業の専門業者、株式会社クアトロテクノサービスの代表取締役社長です。

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